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101 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/09/23(月) 11 58 57.52 ID 88calbDN0 [1/5] 寝ないで一日中イチャイチャしてたらいいと思います 4分割で… 『バスにて』 ―― すっかり暑さの和らいだある秋の日。 まどかとさやかは海辺の水族館へ向かっていた。 さ「まどかーバスがもう来てるよ!急いで急いで!」 ま「あ~ん待ってよ、さやかちゃん!」 二人はバスの出発時刻ぎりぎりにバスに滑り込む。 さ「中は結構すいてるみたいだね。どこ座ろっか?」 ま「う~ん、一番後ろにしよっ!…後ろの窓から景色も見えるし♪」 さ「りょーかい♪じゃあ一番後ろの席へLet s Go~!」 二人が席に座ったのを見届けると、運転手はバスを発進させる。 ブロロー。 ま「あ、さやかちゃん飴舐める?」 さ「サンキュー。あ~ん♪」 パクッ、ペロペロ。 さ「わ!まどか見てよ見てよ♪ 畑に赤とんぼがいっぱい飛んでるよ!」 座ったまま身体をひねり、後ろの窓を指差して言う。 ま「うー見えない…」 まどかもさやかと同じ姿勢で外を見ようとするが、 背の低いまどかにはその姿勢のままではぎりぎり見えない高さだった。 さ「もーしょうがないなぁ♪あたしの膝に乗っていいよ」 ま「え?…わわわっ」 さやかの「乗っていいよ」は「乗せるよ」の意味だった。 ま「わーホントだー♪すごく沢山いるー!」 さ「でしょでしょー♪秋を感じちゃいますねー……おっ!」 膝の上でまどかが後ろを振り返った姿勢で外を見ていたものだから、 さやかの目の前にはちょうどまどかの胸があった。 102 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/09/23(月) 12 01 20.09 ID 88calbDN0 [2/5] さ「ははーさてはまどかさんはあたしに揉んで欲しいのですなー」ニヤーッ ま「…ふぇ?」 さ「…あはは~♪」 モミモミ、コチョコチョコチョ。 さやかは、まどかを抱え込んで胸を揉んだりくすぐったりし始める。 ま「うぇひ~。も~さやかちゃんやめてよ~」 まどかは膝の上でじたばたと抵抗を試みるが、 この体勢ではさやかから逃げることは出来ない。 ま「うぇひ~☆」 さ「口ではそう言いつつも、顔は『もっと』と要求してるのだー」コチョコチョ ま「ウェヒ、ウェヒヒ…♪」 ま「もーさやかちゃんばっかり~…こうなったらわたしも…だよ!」 攻めの手が緩くなった隙をついて、まどかは抱きついて脇をくすぐりだす。 さ「…ちょっこらっ。…あはは。くすぐったいってばー」 ま「えへへ。反撃だよー♪」 さ「あは、あはは。…ぐぬぬ、かくなるうえは倍返しなのだー」 コチョコチョコチョ、コチョコチョコチョ。 キャッキャウェヒヒ♪ 運転手「あー後ろの席のお客様、運転中は危ないので程ほどにして下さい」 マイク越しの中年男性のしゃがれた声が、車内に響く。 男の子「ねーママ!…あーいうのが恋人っていうの?お姉さん同士だけど」 一つ前の席に座っていた幼稚園ぐらいの男の子が二人を指差す。 ま&さ「え?」 気が付くと、乗客のほとんどが楽しそうに二人のやりとりを眺めていた。 ま&さ「あぅ…///」 急に恥ずかしくなった二人は、お互い顔を背けて無言になった。 103 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/09/23(月) 12 03 37.70 ID 88calbDN0 [3/5] ~~~ ブロロロ、ガタガタ。 バスが山道にさしかかり、車体が大きく揺れ始める。 この山々を抜ければ、やがて海が見えてくるはずだ。 さ「でもさ、別に恋人に見られてもいいよね、…あたしたち///」 しばらく黙っていたさやかが、ようやく口を開く。 さ「…ってどうしたの、まどか!?」 ま「うぅ…」 しばらくぶりに顔を見ると、まどかは気分が悪そうにうつむいていた。 ま「何でもない…よ…」 さ「そんなわけないでしょ。正直に言って!!」 ま「…うん。ちょっと乗り物酔いしちゃったみたい…吐き気がするの…」 さ「えっ!?…まどか大丈夫?」 ま「うぅ…」 さやかはリュックサックをあさり、ビニール袋をまどかに手渡す。 そして自分の胸にまどかを優しく寄せて、背中をゆっくりさすり始める。 さ「もう少しで到着するから頑張れー」サスサス ま「うん…」 バスが長いトンネルに入る。 さ「…」 さ「……」 さ「あの、すみません!…バスから降ろして貰ってもいいですか?」 ま「さやかちゃん大丈夫…だから…」 さ「無理しない無理しない!」 運転手「ん、どうしたの?」 さ「あの、連れが乗り物酔いしちゃったみたいで…」 104 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/09/23(月) 12 07 49.32 ID 88calbDN0 [4/5] ~~~ トンネルを抜けたところで、二人はバスから降りた。 これまでの木々やトンネルが終り、視界には一面の海が広がっている。 ま「さやかちゃんゴメンね…」 さ「いいって。それより気分は?」サスサス ま「うん…バスから降りたらすっかり良くなっちゃった」 さ「そっか…よかった…」 ま「ほんとにゴメンね…」 さ「もーいいって言ってるでしょ」でこピン ま「うん…」 さ「でもまどかが酔うのあんまり見たことないかも」 ま「わたし結構弱いよ。普段はさやかちゃんと楽しくおしゃべりしたり くすぐられたりしてるから、あんまり酔わないんだけど…」 さ「あは…つまりあたしがおしゃべりしたりくすぐったりするのを やめたせいで乗り物酔いしたと言いたい訳だー」 ま「そだよ~♪」 まどかがすっかり元気になったのを見て、再びでこピンをくらわす。 今度はさっきより少しばかり強め。 さ「ところで、まどか見てよ!すっごく綺麗だよ~!」 二人の前には澄み渡った秋空。 濃い青の海にはカモメがぽつぽつ浮かび、静かな波の音が聞こえてくる。 背後には山の緑が広がり、アキアカネの群れが飛びかっていた。 ま「わぁ♪」 さ「こんな景色が見れたのは、まどかのおかげだね」ギュ ま「うぇひひ。そうだよ♪」ニッ さ「いや~、やっぱりバスの中で あんたをくすぐらなかったあたしのおかげだわー」 ま「うぇひ☆」 さ「それじゃ行こっか…」 ま「…うっ。結構距離ありそうだね…」 さ「何を言いますかー。あんたが途中で酔っちゃうせいでしょー♪」ニッ ま「違うよー。さやかちゃんが途中でくすぐるのをやめたせいだよ~♪」 あはは♪うぇひひ♪ しばらく笑いあった後 さやかが手を伸ばすと、まどかがそのその手をぎゅっと握る。 ま&さ「いざ歩こう!」 (――以上です失礼しました)
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シロー「エレドア、今日の仕事が終わったらみんなで食事に行かないか。コジマ警部のおごりだぞ」 エレドア「きょ、今日っすか。あいにく今日は用事が入ってるんで遠慮しとくわ」 シロー「そうか、残念だな。警部がおごるなんて滅多に無いのに」 エレドア「へへ、こっちの用事も逃せないんで。隊長たちで俺の分も楽しんできて下さいよ」 シロー「そうか、わかった(バンド活動で何かあったのかな)」 終業後にエレドアが向かったのは、自分のバンドの練習場所やライブハウスではなく、新しく出来た店だった。 カガリ「どういうことなんだケバブを出すのにチリソースを置いていないなんて! チリソースの無いケバブなんてコーヒーを入れないブライトみたいなものじゃないか!」 エレドア「あのー、ここの店でフィッシュセラピーが出来ると聞いてきたんだが」 店主「すみません、他のお客さんを待たせてるんで」 チリソースを出せと迫るカガリのクレームに困惑していた若い店主は助かったというような表情でやって来た。 カガリはふくれっ面でmyチリソースを出すとケバブサンドにかけて食べ始めた。 店主「お待たせしました。フィッシュセラピーでございますか」 エレドア「ああ、足の病気に利くってんだろ。…軽食屋もやってるみたいだけどさ」 店主「一応本業はフィッシュセラピーなんですけど、それだけじゃ客つかないんでケバブとトルコアイスも売ってるんですよ」 そういって店主は受付に張った証明書を指差した。「医学博士 ネオイスタンブール大学 セイット・ギュセル」と書かれていた。 エレドア「この水槽に足を入れるだけでいいんだな。この魚がドクターフィッシュ?」 セイット「ええ、トルコ原産の魚なんですよ。この魚が人間の古くなった角質層を食べるんで皮膚病の治療に効果があるんです」 エレドア「そうか(これで水足に悩まされる日々とはおさらばだ!女に足が臭いとか言われることも無いぞ!)」 果たしてエレドアが水槽に足をつけると、ドクターフィッシュという金魚ぐらいの大きさの小魚が次々と足に集まって、 エレドアの水虫だらけの足の古い皮膚を舐めるように食べだした。 エレドア「うひゃひゃ、くすぐってーよ」 エレドアはくすぐったがっていたが、そのうちにドクターフィッシュはお腹を上にして次々浮き上がってきた。 セイット「ああっ、メフメトにバヤジットにアンカラにシェヘラザードにオカンにアジズが!すぐ足を水槽から出せ!」 エレドア(魚に名前つけてたのかよ。…この方法も水虫には効かないのか) 結局エレドアは店から追い出され、以来店に入ってもセイットがフィッシュセラピーを受けさせてくれない。 仕方なく食べたトルコアイスはなぜかしょっぱい味がした…。
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■傷舐め(きずな-め) 各作品のデータ 新2 効果:味方1人のHPと封じを回復する説明:傷口を舐めて味方を回復するスキル 詳細:アクティブ・回復(Lv10) / 消費TP5~10 / 頭、TEC+VIT / 前提:忠義マスタリーLv1(必要SP1+自動習得)習得:ペット ペットの回復スキル。味方単体のHPを回復する。 消費TPは少ないが回復量も少ない。どうしても使いたいなら全振り推奨。 色々と妄想が広がるスキルである。ぺろぺろ 2ではHP回復スキルを習得できるのはメディック、ドクトルマグスとこのペットだけである。採集型のペットならこれにSPを振っておけばああっと後の建て直しが少し楽になる。 狼とか熊とかに傷口舐められたらばい菌はいって化膿しそうな気がするんだが・・・ ↑きっときぐるみの中の人は清潔に気を使ってるのさ。 2にサブ職があったらサブペットの傷舐めというギャルゲ的展開に多くのhentaiもとい紳士諸君が妄想を膨らませたに違いない。アンドロ?そもそもサブにできそうにない?アーアーキコエナイ サブペットが丸齧りしちゃうのはちょっと… クマーの着ぐるみ被ったししょーに悶え死んだ 究極傷舐めよりも徹底してペロペロしてないということなのだろうか サブペットは妄想が捗るな 今ならグリモアという方法もある。即ち赤マグ子が「おとなしゅうせい、これも治療の一環じゃ。これ、冒険者たるものがそのような情けない声をあげるものでないぞ?」といいながら腕や胸板を・・・ええい、SSQ2はまだかっ おさげカスメや桃バード等純真無垢な幼女に使わせたい・・・ そこはビスキン♀だろ。 フロストガン子に睨まれながら「は、早くなおひなはいひょ…って何ニヤついてんの!? アンタが怪我して私を心配させるのが…っ! 記憶を失えぇぇぇっ!///(跳弾)」てーのが鉄板だと思ってたんだが…まあサラシブシ子で「ん? コレか? おまじないじゃよ。ただ儂のは効き目抜群じゃぞ? 早く良くなってもっと強くなれ。そんな様ではおちおち背中も任せられん」とかでも良い。アトラス、シンセカ2はよ 熊「この味はケガをしている『味』だぜ・・・!」 残念だがスキルレベルが上昇すると効果のみならず消費TPも上昇する。当然といえば当然なのだが、転寝同様に消費TPは据え置きでもよかったかもしれない。 Lv1では精々10そこいらしか回復しない。キュアほどの性能は無いので過信しないように。HPが減ったまま戦闘に突入するよりはマシ、くらいに思っておこう まあこれが優秀過ぎたりするとメディ+パラとかいうチート哺乳類が誕生しちゃうし仕方ない ついに変態紳士達の妄想が現実に。 誰にペロペロさせるかは各自にお任せします。 桃バドやカスメちゃんならいいけど、おっさんたちの傷舐めとか地獄絵図でしかないな・・・ グリモアというシステムはきっとこのために作られたんだ… 新2ではHPに加えて封じも回復する。ドクに持たせると幸せかも知れない。主にクロエとか。 裸立ち絵の上にこれとか完全アウトじゃねーですか… ベルトランやフラヴィオも・・・・・ 君はこれを女子に使わせて妄想に耽ってもいいし、男に付けて微妙な気分になってもいい ホモォ…… クロエちゃんをペロペロするか、それともクロエちゃんにペロペロさせるか、それが問題だ ここはアリアンナとクロエちゃんの両方に傷舐めを持たせて互いにぺろぺろさせよう(提案) 紫姫「足が封じられてしまったのう。ししょー!女王様の足を舐めるが良い」 ししょー「ナメてんじゃねーぞ」 特に何も考えずにフラヴィオに付けてしまってたがよく考えるとヤベエ ↑ フラ「これぐらい唾つけときゃ治るだろ」 ↑意外にに唾自体が出した直後なら殺菌作用だの治癒作用だの含めた成分でできた液体なので的を得ているかもしれない。ただ他人の傷に唾をつけて治るかは… フ○ラヴィ・・・いや止そう ヤダァ…(ミズガルズの調査隊のレンジャー) 何気にお身体を大事に言われたアリアンナをクロガネが傷なめしてるのを動じないあたり矛盾が生じてそう。アリアンナ自身は号令で回復を図ることは出来るけど… 諸君!紳士的かつ大胆に行動してくれたまえ! 狼「傷舐めて欲しけりゃ、他の奴に頼むんだな……」 「少し口の中を切っただけだ、なめておけば治る」 何で皆女の子に舐められる方なの…舐める方だろjk。ファフさんがアリアンナやあてりんを怪我の治療という合法的な理由でペロペロ出来る、嗜虐心そそられる最高のグリモアだというに 敵を舐めるとしたら防御ダウン混乱付きだがよろしいか 女の子のガードが甘くなって動転するなんて初々しい反応じゃないか……やっぱり混乱する程の舌技といえばベロチューかな?呪いの舌もいいな。敏感になって行動したら自分もビクンビクンするしな。 あれだなやっぱ、三層での対決後に鮮血が〜の表現があるからそこでペロペロだな。戦い終わればもう敵じゃないし傷の手当てに舐めてもいいはず。樹海では勝者が〜ともいってたから恐らく納得済みだろう何より傷の手当てだもんなぁあの雪の中で傷ついた女の子放置するとか外道の所業だもんなぁうnうn ↑君はジジイを舐めてもいいし、舐めてもいい。さあ、舐めたまえ! 美心をどうしても思い出してしまう あの舐め方なら5倍くらい回復するだろうか 気付けば女キャラが持っていたはいいけどされる側も女の事が多かった で どこをどう舐めたら封じが治るんですかね? ほっぺを舐めると頭封じが治って 足を舐めれば足封じが治るとか? 病ゾディ「しかし足を舐めるとは M竜歓喜だな・・・っと スーパーノヴァが飛んで来る前に逃げるか」 ↑この戦いからは逃げられない!! クラーケン「俺の足も舐めて治してくれ」 ベルトランや爺ドクトルの傷舐め… ↑ありだな(白目) エスバット戦。敵を舐め回して攪乱し、味方を舐めて回復する変態集団がいたという・・・ ネコ好きの人ならよくわかると思うのだが、ネコの舌は表面に多数の鉤状突起があってザラザラしている。これは骨に付いた肉をしゃぶりとるのに適応したものである。ネコに舐められてもたいしたことは無いが、これがトラだと相当に痛いらしい。おそらく世界樹ペットのトラが傷舐めをする場合、舌にゼリー状のような治癒成分を分泌させ、直接舌が患部に触れないよう、そっと成分のみを塗ってくれているのではないかと思われる。 ↑それならペットにやらせる意味がないんだよなぁ… ……いや、「なるべく」舌が触れない程度に、そっと舐めてくれるというような意味合いで(汗)もしくはグラフィックから想像するに、かつて古代に実在した所謂サーベルタイガーとは身体的特徴が異なる部分もあるようだし、現在のネコ科の動物とは違う舌の構造を持つことも充分に考えられますね(大汗)たとえばワンちゃんのような舌であれば特に問題もないかと(滝汗) 口の中の傷はとりあえず舐めとけば治るってお父さんが言ってた ホ○リデント忘れないようにね 他のメンバーはお礼を言ったりするから平気なんだけど、キャンプ画面でファーに使うと「ああ」の一言しか言わないせいで微妙にいかがわしい気分になる。連続して使うと特に。……だってさ、舐めてるわけでしょ? これのグリモアは変態紳士or淑女のご用達。 新2ではうちの姫子(ドM&百合総受け設定)に持たせてひたすらししょーやドリルダクハンやメディ子、ロリカスメをぺろぺろさせてたなぁ。実用性とかは知らない。 味も見ておこう この味は!………ウソをついてる『味』だぜ…… 個人的にグリモアは「その技の概念(得られる効果)のみを抽出した不思議物体」的なもので、実際に舐める訳ではなく、使用することで「傷を舐めた結果得られる回復効果」だけ発揮してるんだと解釈してる。要はブチャラティじゃなくてディアボロ。 桃バド子「人生舐めずに~傷舐~めて~♪」 ここの米のせいでグリモアつけるの恥ずかしくなったじゃないか!いやきっとペットの幻かなんかを召喚して回復してるんだそう思おう ↑逆にうちでは「特定のキャラにしか傷舐めを使わない」という罪深い制限プレイを生み出してしまったグリモアでもある。変態的な意味ではなくバカップル的な意味合いなので安心しよう!(より変態感が増したとか言わない) アリアンナとクロエが互いにぺろぺろしてるのを見て俺のフォースゲージがアクセレート ペットはともかく、このスキルのグリモアを付けた人間キャラが、足を舐めて封じを直している場面を想像すると、かなりお子様の目に毒な光景。 今日もハイラガは平和です。おとなもこどももおね〜さんも。皆で皆を舐め合おう ゴリラに舐められるってマジ? ↑4おい、やめろ最速3連傷舐めとか完全にツボに入ったわw 傷の舐め合いという表現があるように、このスキルも実際に舐めているのではなく比喩表現なのかもしれない。ダメージを受けた仲間を、ペットが「辛かったね、嫌だったね、大丈夫大丈夫」と慰めてあげるような感じで。 コメント
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カナが風邪をひいた。 いつも無駄に元気でバカな奴が。 「ありがと千秋、ずっとついていなくていいよ。もうすぐ千秋の見たいテレビが始まるよ」 「テレビなんてどうでもいいよ、おまえが苦しそうにしているのを見ていると…」 ─テレビより楽しい、と続けようとしたが (こんな時くらい優しくしてやるか) 「心配でたまらない」 コチ…コチ…、時計の音がやたら大きく聞こえる。 「ちあき…」 ポロポロと泣き出す 「うわっ、泣くな」 「だって、千秋がこんなに優しくしてくれたの、生まれて初めてだよ」 「初めてじゃないよ! 何度かあるよ!」 「うれしいよー」 ガバッと抱きついてくる。 「バカッ離せ、病人だろ」 なんとかなだめて寝かしつけたのは、30分後だった。 あの調子なら、すぐ元気になるだろう。 次の日 「おはよー!」 朝食の支度をしているハルカに元気よく挨拶をする。 「おはようカナ、よくなったみたいね」 「うん、二人のおかげだよ。あれっ、千秋はまだ寝てるのか」 「それが…」 「ケホッケホッ」 今度は私が風邪をひいてしまうとは、不覚。 ドタドタドタ バタン! 「チアキー、大丈夫か!?」 騒がしいのが来た。 「静かにしろバカ野郎」 「おっとすまない、千秋が風邪ひいたって聞いたから」 どうやらカナの風邪は治ったようだ。 「ああ、見ての通りこのざまだよ、ケホッケホッ」 「安心しろ千秋、今度は私がつきっきりで看病してあげるから」 げっ! そんなことされたら治るものも治らない。 「いいよ、私は静かに寝ていればよくなる。おまえは安心して学校に行け」 「でも心配だよー」 「そんなに心配なら、学校帰りに駅前のプリンを買ってきてくれ。それが一番の看病だよ」 「わかった、必ず買ってくる。楽しみにしててよ千秋」 「頼んだよ」 ようやく行ったか これで安心して眠れる zzz… むにゃむにゃハルカ姉さま、そこはダメですぅ 「ただいまー!」 玄関からの大声で目が覚めた。 はっ!? キョロキョロと辺りを見回す。 (なんだ夢か。カナの奴、いいところで邪魔して) ドタドタドタ 騒がしいのが帰って来た。 「千秋ー、プリン買って来たよ、駅前の!」 「静かにしろバカ野郎」 「ごめんよ、ほら千秋の言ってたプリン! 並んで買ってきたよ!」 「ああ、ありがとう。でかしたよカナ」 褒められて、ちょっと嬉しそうにしているカナ。 (なんか…、キモイ) 「ほら千秋、私が食べさせてあげる」 プリンを開封し、スプーンにすくう。 「じ、自分で食べれるよ」 「病人は安静にしてなくてはダメです。はい、あ~ん?」 しかたないなー 「あーん」 おずおずと口を開く。 パクッ、もぐもぐ 「おいしい?」 「…おいひい」 なんだかいつもよりおいしく感じた。 あっという間にプリンを2つをたいらげてしまった。 「千秋、ほっぺにプリン付いてるよ」 拭いてあげる、と言ってカナが近づいてくる。 ペロ 「のわあああ、ななななにをするッ!!」 「舐めた」 「舐める奴があるかバカ野郎、ティッシュとかで拭けー!!」 このまえのキスといい、いったいどーゆーつもりなんだ。 こういった行為は恋人同士がするものじゃないのか? ドキドキドキドキ あーもー! 「もういいから、あっち行けよ!」 「じゃあ千秋お大事にねー」 ツインテールを揺らし、楽しそうに部屋から出て行く。 「2度と来るなバカ野郎!」 あいつ絶対からかってる。 私をドキドキさせて楽しんでいるんだ。 風邪が治ったら、仕返ししてやる。 ほっぺ舐めるよりもっとすごいことをして、カナの奴をドキドキさせてやるんだ。 そう考えると、楽しくてたまらない千秋であった。 おわり 名前 コメント 3-602氏 3スレ目 保管庫
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命令する魔女(めいれいするまじょ) 命令する魔女 ユニット- セイレーン 使用コスト:青2無3 移動コスト:青1無1 パワー:5000 スマッシュ:1 タイミング クイック あなたは、このカード以外の青か白のユニットを移動するコストを支払うにあたり、その移動コストに必要な無色エネルギーを-1する。 白のあなたのユニットがバトルスペースのスクエアにある場合、このカードは以下の能力を得る。 『このカードがフリーズしている場合、このカードのパワーを+4000する。』 共鳴(このターンの間、あなたのユニットが移動してスクエアに置かれたならば、以下のテキストが有効になる。) あなたはこのカードを使用コスト[青1無2]でプレイできる。 移動コストを軽減するカード。 2つ目の能力もかなりの業物で、投下すれば煮立ったカレーの如き破壊力。 この性能ならば相手ターンに額面どおり(5コスト)プレイしてもお釣りが来るほどである。 また、中央エリアでスマッシュすればかなりの巨体で居座ることができる為、積極的に前に出よう。 スマッシュ以外にもフリーズする事の出来るカードがあればより良い このカードがあるとき、「マオ・ダークパンサー」の移動コストは[無0]、「マオ・シャム」では[無1]となる。 収録セット サード・センチュリー エキスパンション 戦士たちの共鳴(040/100 コモン) イラストレーター 末弥 純 関連リンク 種族 セイレーン 効果的な組み合わせ例(進撃系) サウザンドポイント ミルフィーユ・ブラン? ディレクター・スピリット くるみ割り人形 他 効果的な組み合わせ例(合成系) ライオン セイレーン/ライオン ペガサス ペガサス/メタルロブスター 特殊能力 呼声 共鳴
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向かいの席に座り、悔しそうに歯軋りをする智子の恨めしい視線を一身に受ける俺は窓の外の景色に目を反らした。 窓越しに見える山々は所々にまだ紅色を残しているものもある。 自然の澄み切った空気を吸いながら山道を歩けば、さぞ清々しい気分になれるのだろうが、今の俺は眼前から注がれる鋭い眼差しに冷や汗を浮かべていた。 圭子「ねぇ、俺」 現実から逃避するかのように流れていく景色をぼんやりと見つめていると、隣に座る圭子が肩をつついて来た。 移した目線の先には膝の上に小さな弁当箱のようなものを置き、恥ずかしげに目を泳がせる圭子が、自分の袖をきゅっと掴んでいる。 一体何の用なのだろうかと首を傾げつつ、口を開く。 俺「どうした?」 圭子「そのっ……俺って卵焼きが好き、なのよね?」 俺「……まぁ」 目が無いほどではないが、好物の部類には入る。 よほどのゲテモノではない限り、基本的に俺は何でも食べる方だった。 唯一許せないのはシュールストレミングなるスオムスの缶入り食品である。 今でも興味本位で缶を開けてしまった当時の自分の浅はかな行動を思い出すだけで吐き気が込み上げてきてしまう。 あのような激臭を放つ食物を口にするのは今後の人生においてもう二度と無いだろう。 というか、断固として食べたくない。 スオムス人には悪いが、自身があれを食べ物として認めることは未来永劫来ないと断言できる。 圭子「そのね? 余分に作ってきちゃったから……食べ切れなくて。もし、よかったら……食べてくれない?」 俺「……良いのか?」 圭子「このまま放っておくのも勿体無いし……その、あなたに……食べて欲しくて」 俺「……まぁ。そういうことなら遠慮なく食べさせてもらうよ」 智子「ッ!!」 武子「智子、車内では静かにしなさい。気持ちは、わかるけど……」 最後のほうになると声が尻すぼみになったため、上手く聞き取れなかったが他人の好意を無碍にするわけにもいかず、俺は差し出された弁当箱を受け取った。 途端に智子から突き刺される怨嗟に満ちた眼勢が一層強烈なものへと変化し、俺は反射的に身震いしてしまう。 そんな智子の頭に彼女の隣に座る武子が手を置くも、その武子でさえどこか不機嫌そうに頬を膨らませ、じっとりとした目つきでこちらを見つめているのだ。 一体何が二人の機嫌をそこまで損ねているのだろう。 その原因が自分にあると露とも知らない俺は他人事のように考えながら身を屈めた。 俺「えっと……箸、箸」 何とも居た堪れない気分を味わいながら足元に置いてある鞄に手を入れて箸を探すも、中々出てこない。 ちゃんと食べ終わったときに弁当箱と一緒に入れたはずなんだけどなぁと考えている内に膝の上に乗る弁当箱の感触が消える。 何事かと圭子のほうへ顔を向けると、ほんのりと頬を染めた彼女は自分の箸で弁当箱の隅に残っていた卵焼きを器用につまむと、 圭子「あ、あ……ん」 俺「っ!?」 今にも消えてしまいそうなほどの儚げな声を洩らし、卵焼きをつまんだ箸を俺の口元に向かって差し出してきた。 本人自身もよほど恥ずかしいのか箸を握る手がぷるぷると震え、瞼はきつく閉ざされている。目を閉じるほど恥ずかしいならば、大人しく箸を渡してくれればいいものを。 俺「あー……ん」 智子「ッッッッッッ!!!???」 武子「智子……ッ! 落ち着きなさい……落ち着くのよ……!!!」 震える箸の先端に顔を近づけ、口を開き、卵焼きを咀嚼する。 直後、智子が地団太を踏み始めた。 あまりの音量に彼女のほうへ目線を向けると瞳に僅かな涙を溜め、こちらを睨みつけているではないか。 一方で智子を制止する武子ではあったが、彼女自身も悔しそうに唇を噛み、黙って非難めいた視線を送ってきている。 何が何だか、よく分からないがどうやら自分は彼女たちの気分を害してしまったらしい。 黒江「ぐぎぎ……!!」 俺「ご、ごめんなさい……」 敏子「あんたたち。せっかくの旅行なんだから騒ぎを起こさないの。いいわね?」 通路を挟んだ隣の座席に座って、それまでのやり取りを傍観していた敏子が同じように歯軋りする綾香の頭に手を置きながら釘を刺した。 表情こそ笑顔ではあるものの、有無を言わさぬ圧倒的なる圧力に分が悪いと察したのか、智子たちはしゅんと身を小さく縮こませる。 俺「(温泉、か。楽しみだなぁ……)」 再び窓の外の景色に視線を戻す俺が、空を眺めながら胸中でぽつりと呟いた。 事の発端は一週間前まで遡る。 夕食を終えた自分たちに突然部隊長である敏子が部隊全員で休みを取って温泉にいくと言い出したのだ。 初めの内は何を言い出すんだと思っていた俺ではあったが、敏子が言うには休暇の際に市街地の福引で見事に一等である温泉の招待券を六人分も引き当ててきたらしい。 その後は各自がスケジュール調整に奔走し、今日になってようやく部隊全員の休暇が重なり、こうして列車に揺られているわけである。 圭子「俺。卵焼きは……どうだった?」 俺「あぁ、美味しかったよ。ごちそうさん」 俺が正直な感想を述べた。 絶妙な焼き加減なだけあってか卵もふっくらとしており、味の加減も申し分ない。 それにしても、あまりにも自分好みの味だったので驚きはしたが、きっと自分の味覚と圭子の味覚が近いのだろうと解釈した。 圭子「えぇ……!!」 智子「……ぐすん。俺の、ばか……」 武子「よしよし」 俺の言葉に圭子が満面の笑みを浮かべて返す光景を見せ付けられ、目尻を拭う智子の頭を武子が撫でた。 智子の子守役という部隊内での役割もあながち間違いではないのかもしれない。 黒江「くそぅ……私だって。私だって」 敏子「ごほん! はいはい。そろそろ駅に到着するから、その位にしておきなさい」 何とか理性を働かせようと、ぷるぷると全身を小刻みに揺らす綾香を尻目に目的の駅が近づいたことを告げるアナウンスが車内に流れ、席から立ち上がった敏子が手を叩いた。 今日という日を穴拭智子は心の底から待ち望んでいた。 いつぞや武子の誕生日プレゼントを選びに行った俺に付き添った際には逃してしまったが、よもやこのような形で好機が巡ってこようとは。 温泉旅行という非日常を利用し、密かに慕い続ける俺との距離を一気に縮めようと胸を膨らませていただけに、思い通りに事が運ばぬ現実を突きつけられ今日の彼女は荒れに荒れていた。 俺「お、重い……なんで俺が。みんなの荷物……持たなきゃ、いけないんだ……?」 敏子「男の子でしょ? それぐらいはしなさい」 俺「ちくしょう」 智子「ふんっ!」 と鼻を鳴らし後ろで全員分の荷物を背負わされる俺など眼もくれず、足早に目的地である旅館へと歩き続ける。 せっかくの温泉旅行だというのにくじ引きでは俺の席を圭子に奪われ、挙句の果てには卵焼きをあんな形で食べさせるだなんて。 智子「(俺も俺よ。あんなにデレデレして……)」 後ろを振り向けば、俺の隣を歩く圭子が彼の額に浮かぶ大粒の汗をハンカチで拭っている最中だった。 季節は十二月に入り、すっかりと冬に移り変わっているが、全員分の荷物を持たされここ十数分は休みも無しに歩かされているため汗が出ても何ら不思議ではない。 甲斐甲斐しく頬や首筋を拭われている俺の姿を見て、智子は再び不機嫌そうに鼻を鳴らすのだった。 俺「あぁぁぁぁ……つかれたぁ」 部屋に通された俺が荷物を放り出して、畳みの上に身を投げた。 あれほどまでの重量を背負ったのはいつ以来だろうかと考えながら手足を伸ばすと、肩と腰から鈍い痛みが生まれ、思わず顔をしかめる。 たしかに自分が男ではあるが、休憩を入れてくれてもいいではないか。 俺「こうなったら」 敏子から聞かされた話によると今日は自分たち以外の宿泊客はいないらしい。 つまり事実上の貸し切り状態ということになり、他の宿泊客に気兼ねすることなく動くことも出来るというわけである。 俺「ぎゃふんと言わせてやる」 このままでは気が済まない。 自分を荷物持ちにしたことを後悔させてやる。 そう意気込んだ俺は着替えと浴衣、その他の洗面用具を手にし、部屋を飛び出して大浴場のほうへと駆けて行った。 地上の楽園をこの目に焼き付けるために。 温泉の湯から立ち昇る湯気が僅かに景色を覆う中、一糸纏わぬ姿となった女性陣が目の前に広がる巨大な露天風呂に感嘆の吐息を零した。 覗き対策からか、柵は高めに作られているとはいえ豊かな自然の景色を損なわぬようバランスを重視した造りになっている。 智子「わぁぁぁ!! すごい! すごいわ!!!」 武子「智子、あんまり走り回っちゃ転んじゃうわよ。背中流してあげるから、こっちに来なさい」 無邪気な笑みを浮かべて子供のように走り回る智子の姿に苦笑いを浮かべる武子が彼女に手招きをする。隣では同じような笑みを作る圭子が大きく伸びをした。 部隊内では隊長である敏子に次ぐ年齢なため発育も他の三人と比べて恵まれており、背を伸ばした際に形の良い双丘がぷるんと上下に動く。 黒江「温泉か。手足を思う存分伸ばしたまま湯に浸かれるのはいいことだな」 敏子「あんたたち! ちゃんと入る前に身体を洗いなさいよぉ!!」 女性陣が女湯で姦しい会話を楽しんでいるところに同じく、誰もいない男湯に入ってきた俺は足音を立てないよう敷居の役割を果たす柵に向かって歩き出す。 俺「ごくり」 この向こうに地上の楽園が広がっているのだと思うと、生唾を飲み込まずにはいられなかった。 普段は巫女衣装や陸軍の制服に包まれている彼女らの瑞々しい裸体を拝めることが出来る。 仲間の裸を覗くという背徳感が俺の煩悩を昂ぶらせた。 再び唾を飲み込んだ俺が柵に手を添え、体重を傾ける。 軋む音が一切立たないことから、新品に取り替えたか。それとも頑丈な造りとなっているのか。 どちらにせよ、力を入れても物音が立たないというのは好都合であった。 俺「よし。いくぞ」 溝や金具に手をかけ器用に柵を登っていく。 子供のころの木登りの経験がこんな形で活かされるとはと思いつつ、見つからないよう身長に顔を出した俺が息を飲み込んだ。 湯煙で視界が覆われているかという予想は見事に裏切られ、彼の視界に無防備な裸身を晒す智子たちの姿が入り込む。 俺「おぉぉ……おぉぉぉ……!!!」 まずは智子。 部隊内で最年少だけあってか身体つきは未発達ではあるが小ぶりなヒップには、そそられるものがある。 また、湯で濡れた黒髪が白い背中に張り付く後姿が何とも言えない扇情さを醸し出しており、今後の成長に期待が出来た。 次に武子。 全身に付着する石鹸の泡を桶に溜め込んだ湯で流す姿がやたら艶かしい。 日頃、制服の下から自己主張する胸は外気に晒され、その均整の取れた姿を見せつける。 黒江は日々剣の鍛錬を欠かさないだけあってか、腰周りに一切の無駄がないがそこには女性特有のしなやかさと柔らかさが確かに存在していた。更に、腹部には愛らしいおへそが姿を覗かせている。 圭子だが、やはり他の三人と比べて年長なためか肉付きがよく胸、腰、ヒップと申し分ない破壊力を秘めていた。特筆すべきは太ももであろうと俺は考える。 これもまた、軍人としての訓練の賜物なのか贅肉といったものはないが、その肉感的な柔らかさは乳房や臀部以上もの情欲を男に与えてくれるに違いない。 そして、最後に敏子である。 もはや彼女に関して言うことは何も無い。 年相応に発育した彼女の肉体は大人の色気をむんむんと放っており、既に全身が凶器と化していた。 湯によって艶やかな光沢を帯びる全身が俺の息遣いを荒いものへと変えていく。 俺「よし、撤収」 これこそが最後のエデンという奴なのだろう。 胸中でそう呟きながら俺が柵から飛び降り、何事も無かったかのような顔で身体を洗い始めた。 本当ならばもっと拝んでいたかったが、欲を出しすぎれば破滅するというこの世の理を悟っていた彼は後ろ髪を引かれる思いを味わいつつも吐息を零す。 このあとに地獄が待っているとも知らずに。 夕食後、目の前の光景に俺は絶句せざるを得なかった。 俺「これは……これはいったいどういうことだ!?」 頬を赤く染め、仰向けに倒れる智子たちの傍には扶桑酒が入っていたであろう徳利が無造作に転がっている。 少し席を外し、戻ってきたときには既に倒れ伏していた彼女たちの真ん中では敏子が浴衣の胸元をこれでもかというほどにはだけさせ、唖然とする俺を尻目に何が楽しいのかニヤニヤと唇を歪めていた。 俺「四人は犠牲になったのだ」 しばしば晩酌に付き合えと敏子に強制連行された経験から俺は酒に対しての耐性があった。 しかし、智子たちの昏倒ぶりを見るからに、どうやら彼女たちにはまだそれが備わっていなかったようである。 俺「敏ねぇ……なんてことを」 隊長命令と称して無理やり酒を勧める敏子の姿が用意に想像できた。 敏子「良いじゃない。こういう時ぐらい羽目を外さないと」 扶桑酒が注がれたお猪口を回しながら、口元に運び一気に煽る。 見ているこちらが清々しくなってくるほどの豪快な飲みっぷりを前に俺は息を飲み込んだ。 こくんこくんと上下する喉の動きがいつにもまして、いやらしく見えて仕方がない。 きっと浴衣がはだけ、素肌が顕になっているからなのだろうと言い聞かせる。 俺「まったく……旅館の人に迷惑かけちゃいけないぞ。って……なっ!?」 次の瞬間、徳利とお猪口を拾い集める俺の動きが硬直した。 俺がゆっくりと足元に視線を落とすと、そこには自身の右足にしがみつく武子が妖艶な光を湛えた黒瞳をこちらに向けているではないか。 俺「ひっ!? やめろっ! 離せ!」 武子「やぁだ。ふふっ……おれぇ」 艶やかな光を放つ唇が歪む。 甘みを含まれた声に俺は心臓が収縮する感覚を覚えた。 圭子「武子ばっかりずるい……わたしも」 俺「圭子、お前もか……ッッ!!!」 武子と同じように大虎の毒牙に掛かってしまった圭子が空いた左足にしがみつき、仔犬が甘えるように頬を摺り寄せてくる。 普段の大人びた印象とはかけ離れた幼稚な姿にギャップを感じた俺は息苦しさのあまり、心臓の部分に手を伸ばした。 俺「っていかん。離れろ! 離れなさい!!」 黒江「すきありっ」 俺「ぅひゃあ!?」 慌てて我に返り二人を引き剥がそうと身を屈める俺の背中に、それまで寝そべっていた黒江がいつの間にか目を覚まして後ろから抱き着いてきた。 その際にバランスを崩してしまった俺が大きく尻餅をついてしまう。 すかさず、絶好のチャンスだといわんばかりに武子と圭子の二人が俺の身体を這い登った。 武子「ふふふっ」 圭子「つかまえたぁ」 黒江「もう逃げられないぞぉ?」 俺「(駄目だ、こいつら。完全に酔ってやがる……早く何とかしないと)」 前後ろから色気に満ちる湿った声音が俺の耳をくすぐった。 どうにかして打開策を見つけなければと頭を回転させる俺が、首筋を這う生暖かい感触に反射的に身体を強張らせる。 俺「な、何だぁ!?」 黒江「ふふっ……ぺろっ……ぺろっ」 俺「綾香っ!? おまえっ……何をしてって……ひぅ!?」 ザラザラとした下の感触に声が裏返ってしまう。 武子「綾香。独り占めなんてずるいわよ」 圭子「私たちにも、ね?」 ぴちゃぴちゃとした音から生暖かい感触が背中にしがみつく黒江の舌であると理解した時には既に遅く、左右からそれぞれ抱きついてくる武子と圭子が顔を近づけ、黒江に習って俺の首筋や頬を舐め始めた。 俺「ひっ……や、やめっ……!!」 身体を捻って三人の拘束から逃れようとするも、武子たちは酔っていると思えないほどの膂力を以って俺の身体を押さえつける。 飼い主にじゃれ付いてくるかのように舌を動かし、俺の敏感な箇所を舐めくすぐってくるのだ。 俺「本当に、やめ……ろっ。きたな……いっ」 圭子「あら? あなたの身体に……汚いところなんてないわよ?」 武子「えぇ……んちゅっ」 黒江「ほぅ」 自分のものだと印でもつけるかのように武子が首筋に唇を押し当てる。 直後に冷たい電流が背筋を、全身を駆け巡った。 さらに追い討ちと言わんばかりに背後の黒江が首筋に息を吹きかけた。 これ以上責め続ければ可笑しくなってしまう。 智子「うぅぅぅ……」 俺「ちょっ! 智子! お前までやめっ!?」 瞳に涙を浮かべた智子が三人には渡さないとでも言いたげに俺の身体に圧し掛かり顔を近づけてきた。 俺「(まずい……このままでは!!)」 このままでは彼女の唇を奪ってしまう。 そう直感した俺が離れたところで酒を煽る敏子に向かって声を張り上げた。 俺「と、敏ねぇ! 助け……ひぁっ……た、助けてください!!」 敏子「えっ!? なに? 何か言った!?」 耳に手を当てわざとらしく、おどけてみせる敏子の態度に俺の眉が吊りあがる。 俺「聞こえてただろ!? 絶対に今の聞こえてたよなぁ!?」 敏子「良いじゃない。こんな機会もうないかもしれないわよっ?」 俺「だからって……いくらなんでもこれはないだろ!?」 たしかに胸や太ももの柔らかさを肌で堪能できるのは役得だとしても、このままでは自分の理性が持ちそうにないのだ。 敏子「鈍感なあんたが悪い、以上」 俺「以上って、そんな無責任な……あ」 ふと、舌舐め攻撃が止んでいることに気がついた俺がしがみつく少女たちに顔を向ける。 圭子「っぅ……ぅうん」 武子「ふぁ……んっぅう」 黒江「んぅぅぅぅぅ……」 どうやら寝入ってしまったらしい。 拘束が解けたことを確認し、俺が立ち上がり肩を回す。 ようやく地獄から解放された彼の顔が次第に清々しい笑みへと変わっていった。 俺「ってあれ? 智子は?」 今の今まで圧し掛かっていた智子の姿が見えない。 加えていつの間にか敏子の姿も消えている。 あの一瞬で二人とも部屋を出て行ったのだろうか。 俺「とりあえず、こいつらどうにかしないとなぁ」 はだけた浴衣を直し、まず最初に武子を背負った俺が足早に広間を後にした。 彼女たちの部屋に着くと既に四人分の布団が敷かれていた。 これなら寝かせるだけで済みそうである。 俺「おい。大丈夫か?」 武子「ぅ……ぅん? ここ、は?」 布団の上に武子を寝かせると、彼女がゆっくりと瞼を開けて目を動かした。 そして、自身を布団に寝かせる俺に気がつき目を丸くする。 俺「お前たちの部屋だよ。覚えてないのか? 酔い潰れたんだぞ?」 武子「えっ……あ、あぁぁぁぁぁ!?」 記憶が戻ったのか、慌てて起き上がった武子の頬がみるみると紅潮し甲高い悲鳴が室内に木霊した。 俺「うわっ。どうしたんだよっ?」 武子「ごめんなさい! 私ったら何てことを……ごめんなさい! 本当にごめんなさい!!」 理性を取り戻したことで自分がしでかしてしまったことへの羞恥心が武子の全身を覆う。 武子「私ったら……あぁもう! ごめんなさい!」 俺「あー……もういいよ。過ぎたことだ……ただ、今度から酒を飲むときは気をつけてくれ」 武子「う……はぃ」 俺「相手が俺だったからあれだけど……他の男だったら、どうなってたか分からないぞ?」 強靭な理性で何とか持ちこたえることが出来たが、仮に相手が自分ではなく別の男だとしたらどうなっていたことやら。 武子「……」 俺「武子?」 武子「……他の人には、しないわよ……こんなこと。ぜったい」 俺「ん?」 武子「何でもないわよ……。それより、俺のほうは、大丈夫なの?」 俺「まぁな。なんだ? 俺のことも心配してくれるのか? 嬉しいなぁ」 快活な笑みを前に武子が俯いた。 膝に当てた拳を握りしめる武子が口を開きぽつりと呟く。 武子「どうしてよ……」 俺「武子?」 武子「どうして……そんなこと、言うの?」 俺「お、おい……どうしたん――」 武子「心配しないわけないでしょう!?」 俺「た、武子……ッ!?」 武子が声を張り上げ、それまで伏せていた顔を上げた。 目を凝らせば彼女の双眸に透明な雫が込み上げているのが見え、その潤んだ輝きを放つ武子の瞳を前に俺は息を詰まらせる。 不謹慎ながらも涙を零す彼女の姿を美しいと感じてしまったのだ。 武子「あなたはっ! いつだってそうよっ!!」 そんな俺の胸裏に生まれる動揺など、お構い無しに武子は彼の身体を布団の上へと押し倒す。そして、嗚咽が混じる声を絞り出しながら俺の胸元に顔を埋め、浴衣の襟を掴みあげた。 武子「いつだって私たちのことを大切に考えていてくれる! それなのにっ! それなのに、あなたはっ! 自分のことを何とも思ってない! 自分のことを心配してくれることを当たり前だって思ってない!」 思いの丈をぶつけてくる武子に俺は見つからないよう、小さな苦笑いを零した。 さきほど、彼女たちの入浴シーンを覗いてしまっただけに、武子の言葉は胸を抉るほどの鋭さを秘めていた。 俺「武子……俺は」 武子「いや……なのよっ。あなたが……っく、自分のことをそんな風に考えているのが」 俺の言葉を遮り武子が堰を切ったようにまくし立てる。 武子「もっと自分のことも大切にしてよ……っっ!!」 酒による酔いがまだ抜けていなかったのか、感情的に 武子「もし、あなたに万が一のことがあれば……私はっ!! 私たちは!!」 俺「武子」 武子「ッ!?」 感情の抑制が効かず声を荒げる武子の背中に俺が手を回し、抱き寄せた。 そのまま、子供をあやすかのように回した手で柔らかな背中をさする。 俺「ごめんな。心配かけさせて……」 武子「本当よ。ばかっ……あなたは、本当にばかよっ……」 彼女がこうも感情的になるのを俺は初めて目の当たりにした。 酒のせいでもあるが、それはあくまで切欠にすぎない。 武子がこうも感情を爆発させるということは日頃から彼女に心配をかけさせていたということだろう。 俺は罪の意識を感じつつも、彼女が眠りに就くまで背中をさすり続けた。 もたれかかる黒江に肩を貸し、部屋へ向かって歩を進める。 武子を寝かしつけ、広間に戻ると目を覚ました黒江が寝そべったまま手を伸ばしてきた。 何でも一人では起き上がれないらしく、背負うかと尋ねてみると顔を真っ赤にして拒否されてしまい、こうして肩を貸して部屋に向かっているのだが。 黒江「ぅぅぅん」 俺「まったく。酔いつぶれるくらいなら飲まなきゃいいのに」 こうして時折苦しげなうめき声を間近で聞かされると、やはり無理やりにでも背負うなり抱きかかえるなりしていったほうが良かったのではないかとも思う。 黒江「これぐらい……平気だ。ところで、さっき私は何をしていた……? 記憶が無いんだ……」 俺「寝てたよ」 斬り捨てるかのようにも取れるほどの即答ぶりに黒江が眉を顰めた。 黒江「寝ていた? 本当か?」 俺「だって記憶にないんだろ?」 黒江「う、ううん……?」 記憶がないだけに俺の言葉を半信半疑で受け止めていた黒江であったが、素直に俺の言葉を信じたらしい。 些か腑に落ちないながらもこれ以上の追求をやめ足を動かすことに専念する彼女の姿に俺は内心で安堵の溜息を吐いた。 もし彼女が自分に抱きつき、首筋を舐め回していたことを知れば先ほどの武子とは比にならないほどの後悔に襲われるだろう。 世の中には知らないほうが幸せなことがあるのである。 俺「さてと、着いたぞ。早く寝ろ」 黒江「まて……」 寝息を立てる武子に黒江を寝かせ残る圭子のもとへ向かおうとした矢先、手を黒江に掴まれてしまった。 俺「どうした?」 黒江「おまえは……どうして、いつもいつも……」 布団の上に寝そべりながらも、見上げてくる瞳に浮かぶ切なげな光。 俺「いつも?」 黒江「ふ、ふんっ。なんでもない……早く行けっ」 俺「……はやく寝ろよ?」 乱暴に手を離すと、そのまま布団を被って背を向ける黒江に一声かけ、俺は部屋を出て行った。 黒江「ばか……もう少しかまってくれても、いいじゃないか……」 圭子「待ちくたびれた」 それが広間に戻ってきた俺に対する圭子の言葉だった。 俺「そりゃ悪かった」 圭子「なんてね。本当はもう、殆ど酔いから醒めてるの」 俺「じゃあ……自分が何をしたかも覚えてるよな?」 悪戯めいた笑みを浮かべる圭子に訊ねる。 すると、すぐに自身のはしたない行動を思い出したのか、ぽっと頬を染めて俯いた。 圭子「それは……ごめんなさい」 俺「まったく。呑まれるなら初めから飲まなきゃいいだろう?」 圭子「自分でもあんなに弱いとは知らなかったのよ!!」 両手を腰にあて見下ろしてくる俺に圭子が反論した。 まさか、あれほどまでに強烈な酒とは思っていなかったのである。 俺「怒るなって」 圭子「ご、ごめん」 俺「何かあったのか?」 武子のことを考えると圭子もおそらく日ごろの鬱憤を溜め込んでいるのではないかと察した俺が隣に座り、落ち着いた口調で訊ねる。 案の定、小さく頷いた圭子が俺の身体に寄りかかってきた。 圭子「少し……愚痴を零しても良い?」 俺「構わないぞ」 圭子「ありがと」 圭子から聞かされた話は自分と智子たちの違いであった。 撃墜数も自分の方が上であるにも関わらず彼女たちばかりに注目が集まりつつあること。 注目を浴びるためにウィッチになったわけではないが、それでも叩き出した成果をよく見てもらえないこと。 そんな現状に対する悔しさや憤りを正直に吐露する圭子が瞼を閉じた。 圭子「だから、たまに……本当にたまにね? 思うのよ。私って……ここにいる必要あるのかなって」 俺「そんなことはないよ。それに、射撃だけが圭子の全てじゃない」 圭子「……?」 俺「たしかに俺たち二人は。智子たち三人と比べると、世間一般からは地味に見えるのかもしれない」 圭子「……」 俺「でもっ」 圭子「?」 俺「俺は圭子が銃を撃つ姿が地味だとは思えない」 真っ直ぐに敵を見つめる凛々しい眼差し。 銃を握り締める伸びた腕。 引き金にかけられた、しなやかな指。 それらを持つ圭子の姿は、刀を手にしてネウロイへと肉薄する智子たちと何ら変わらぬほどに勇ましく頼もしかった。 圭子「そ、そう……なの?」 俺の言葉に圭子の頬に差し込む紅が濃くなる。 まさか自分の姿をそんな風に見られていたとは。 俺「あぁ。だから自信をもってくれよ。圭子がここにいるってことはさ。圭子の力がこの部隊に必要だってことなんだから」 圭子「……なんとなく、わかった気がする。どうして智子があなたに惹かれたのか」 俺「圭子? どういうことだ?」 圭子「なんでもないわ……ありがとう。俺」 俺「月並みな言葉しか言えなくて、ごめんよ」 圭子「ううん。今ハッキリしたわ。大勢の人よりも、あなたに認められるほうが嬉しいみたい」 顔を埋め、身を委ねる圭子が弾んだ声で返す。 俺「そ、そうか……そりゃ。よかった……」 圭子「ねぇ、俺?」 圭子が俺を見上げる。 潤み、熱の篭った彼女の視線に俺がたじろぎ慌てたように視線を宙に泳がせた。 そんな俺の姿に圭子の口元に自然と笑みが零れた。 あれだけ頼もしく思えていた彼が、こんなにも可愛らしい狼狽する姿を見せるなんて。 改めて自分が身を預ける人物がまだ少年であると気がついた圭子の胸裏に小さな嗜虐心が生まれた。 俺「な、なんだ……ッ!?」 圭子「もう少し……甘えてもいいかしら?」 俺「……程々にな」 圭子「ありがと」 こうして甘えるのも悪くない。 頼もしくて。それでいて可愛らしい、この年下の少年に。 そう思いながら、俺の温もりを実感し頬を緩める圭子であった。 おしまい
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「ヒョヒョヒョヒョヒョ、あの会社そろそろ本当に倒産するんじゃないのか?」 奇抜な笑い声を上げながら、インセクター羽蛾は自分の記憶を振り返っていた。 羽蛾の記憶が正しければ、最初にこの殺し合いを開いたという少年は海馬の名を名乗っていた。 自分の手元に支給された4次元ランドセルや、数十人を一度に拉致する組織力を考えるに、ほぼ間違いなくあの海馬コーポレーションの関係者ではあるのだろう。 乃亜という少年が、海馬家のどういった人物かは知らないし興味もないが、社内での権力者であることに違いはない筈だ。 恐らくだが、海馬瀬人は乃亜に社長職を追放されたのだろうと、羽蛾は推測する。 ニュースで見た程度だが、先代社長の海馬剛三郎を実質死に追いやるほどに追い詰め、社長交代を果たすような社風の会社だ。その海馬瀬人当人も同じ目に合わされてもおかしくない。 「社長交代後に、早速オレみたいな善良な一市民を捕まえて、デスゲームを強要とはねえ……バトルシティとは訳が違うよ乃亜クン」 ドーマの暗躍で、デュエルモンスターズが実体化し世間に害を与えた時、真っ先に海馬コーポレーションが疑われ株を下落させていたのは記憶に新しい。 そこを更に乃亜に付け込まれ、会社を乗っ取られ、こんなデスゲームを開催したとなれば、あの会社ももう終わりだろう、と羽蛾は結論を出した。 「ま、そんなことはどうでもいいっピョー。……真剣に、この先の事を考えなきゃ、オレが殺されるからな……」 海馬コーポレーションのゴタゴタなど、心底どうでもいい。どうせ頭のイカれた独裁者共だ。いずれ、全員刑務所入りだろう。 そんなことより、羽蛾にとっての問題はこの殺し合いだ。デュエルで勝てば生き残れるならば、話は変わってくるが、実際に生身で戦って生き延びろとなれば羽蛾とて命の保証はない。 「この日本(元)チャンピオンのオレでも、素の殴り合いは専門外なのさ。そういうのは城之内とか、そっちの連中に任せておくべきだと思うんだけどねえ。ヒョヒョー」 優勝すれば何でも願いを叶えるらしいが、それがどこまで本当か信じられたものではなかった。 最初のルフィの蘇生だって、海馬コーポレーションのソリッドビジョンを利用したトリックという可能性だってある。 あんなモノ見たからといって願いの為に、素直に殺し合いに乗る気にもなれない。 (本当に願いが叶うなら、決闘者の王国からの転落人生を、全部なかったことにして貰うけどな) 「そこの坊や。あの乃亜という少年について、何か知っている口ぶりね」 「ヒョ?」 羽蛾より、頭一つ程小柄な少女だった。 黒い薄っぺらなドレス、ゴシックデザインとでもいうのだろうか、フリルで彩った単色のドレスに、長い銀髪と雪のように透き通った白い肌が不気味なほどマッチしている。 おまえけに、目もサファイアのような蒼眼ときている。 人間離れした人形のような美貌と妖艶さに、羽蛾も一瞬見惚れた程だった。 「乃亜の苗字……海馬といえば、海馬コーポレーション絡みに決まってるだろ?」 「それは、なに?」 「童美野町を支配してる、ぶっ飛んだ会社だピョ。それくらい常識じゃないか。アメリカでも、KCグランプリを開いてたグローバルな会社さ」 「……なるほど、大体分かってきたわ」 「ヒョヒョヒョヒョ、そんな人形みたいな見た目しやがって、何処かにずっと監禁でもされてたのか? その世間知らずっぷり見てるとさぁ」 「ざっと数十年程かしら? ずっと、封じられてきたわ。当たらずも遠からずね」 「はあ~? メンヘラは見た目だけにしときなー。歳食ってから、悲惨だぜ」 ひゅっと、風を切るような音が羽蛾の耳に届いた。特に風も吹いていない無風の屋外で、妙な音が鳴るものだと疑問に思う。 そして、1秒程でその疑問は解決した。 「ぎょ、ギョエエエエエエエエ~~~~~!!!!?」 羽蛾の右腕から血が滲みだし、その緑色の服を汚していた。鋭い切り裂かれたような痛みに、奇声を発しながら羽蛾は目の前の少女が微笑んでいるのに気づく。 更に、彼女の左手の指先から血が滴っており、その爪は先程とは違う黒い刃物のように形状を変化させている。 「お前、オカルト絡みの奴か!!?」 オレイカルコスだのドーマだの名も無きファラオだの、羽蛾もそういった輩には関わったことがあるので、すぐにこの少女がそちら側の人間であることに察しが付いた。 「オカルトといえば、そうなるわね。 名乗っておいてあげるわ。リーゼロッテ・ヴェルクマイスター、バビロンの魔女とも呼ばれたこともあるわ」 「ふ、ふざけやがってぇ……! オレの支給品でぶっ殺してやる!!」 幸い、腕の怪我は見た目ほど深くはない。動きにも支障はない為、羽蛾は即座に強気に出てこれ見よがしにランドセルを突きつける。 「ヒョヒョヒョヒョ! オレの支給品はなぁ、お前みたいな頭のおかしいイカれたアマなんて一瞬で消し飛ばす、最強のカードを支給されたのさ! 命乞いをするなら、今の内ピョー!! まあ、どうしてもと言うなら、オレの家来になれば、許してやらなくも……あれ?」 「あら? あまりのお喋りが長くて、退屈だったものだから。つい、手が出てしまったわ」 「お、オレのランドセルを……」 羽蛾が掴んでいたランドセルが一瞬にして消え、リーゼロッテに握られていた。 リーゼロッテは驚嘆し、慌てふためく羽蛾を眺めながらそのランドセルに手を入れ、羽蛾の支給品を弄る。 「か、返してくれ~!! オレの最強カードを!!」 「良いことを教えてあげるわ。武器は構えて初めて使えるものよ。鞘に納めた剣では赤子も斬れないでしょう。 もっとも、如何な剣であろうとも、この呪われた身を滅ぼすなど出来やしないでしょうk――――ぐ、がぁっ……!?」 「――――なんてね」 次の瞬間、リーゼロッテの胸を生々しい触手が貫く。 「な、ん……これ……ぐ、あぁ……!!」 「どうやら、ラッキーカードを引いたようだねぇ」 更に喉奥から、目玉から、腕から、臓器をねじ潰し、肉を引き裂き内側から皮を食い破りグロテスクな昆虫の触覚や足がリーゼロッテの全身から飛び出す。 「ヒョヒョヒョヒョ!! そいつは、寄生虫パラサイド! 所有者であるオレから、お前に所有権が渡った時、つまりオレからそいつを奪った時に強制召喚され、お前に寄生し蟲(インセクト)へと変化させたのさ!!」 両手の人差し指を立て、左手を自分の顔の横へ、右腕を伸ばし相手へと向けるポーズ。いわゆる恋ダンスのようなポージングで、リーゼロッテを煽り散らしながら、羽蛾は上機嫌で高笑いを浮かべる。 「いやぁ、リーゼロッテちゃぁん、随分と良い姿になったじゃないか、長生きした魔女様も大したことがないねぇ……。まんまと、オレの誘導にハマってくれてさあ! 今のキミはさっきのメンヘラ魔女より、百億倍可愛いぜぇ……!!」 「フフ……そうね、こういう趣向は初めてだわ。褒めてあげるわよ、坊や」 「ひょ?」 リーゼロッテの、パラサイドに蝕まれた体から流れ出る血が黒い蛇となり、羽蛾へと飛び掛かる。 とっさに体を屈めて避けるが、今度はまた別の血が刃のとなり、鋭利な切っ先を脳天へと穿ってきた。 殆ど意識的ではなく、腰を抜かしバランスを崩したことで、血の刃は髪の毛数本を切断し、毛の残骸が空中を浮遊しながら、ゆっくりと地べたに落ちていく。 (こいつ、こんな状況でまだ……) パラサイドに全身を寄生されて、尚も平気で笑い、あまつさえ自分の血を使役し攻撃まで仕掛けてくる。 魔女という通り名は、恐らく誇張ではなく、事実なのだろう。 「逃げるは恥だが、役に立つってね。オレみたいな優れた戦略家は引き際も弁えてるのさ。 ヒョヒョヒョヒョ! そこで、オレの愛しいパラサイドと戯れてな!」 いくら高い生命力を誇っていようと、パラサイドに視界を潰され体を破壊されていては、羽蛾には追い付けない。 それを見越し、捨て台詞を吐いて羽蛾は逃亡した。 (全く、初っ端から、とんでもない相手に当たっちまったもんだぜ……) 走りながら、先ほどの態度と打って変わり、羽蛾は内心で苛立ちと焦りを隠しきれずにいた。 あれだけ勝ち誇った態度で、リーゼロッテを挑発したものの彼女が気まぐれで、即座に羽蛾を殺していたのなら、パラサイドにハメる事も叶わず死んでいた。 やれる限り、ランドセルに意識を向けるよう、誘導こそしたが、完全な運任せにギャンブルであったことには違わない。 (それにしたって、乃亜のガキ、いくらオレが元日本チャンピオンだからって、支給品がパラサイド一枚だけってのは、ハンデがすぎるピョ。 しかも、タブレットは何とか持ち出せたが、ランドセルごと食料も基本支給品も置いてきちまった。 この先もあんなリーゼロッテみたいな連中がわんさか居るなら、このままじゃヤバいぜ) 完全に無防備な現状で、あんな凶悪な参加者を相手にするのは避けなければならない。 武器を補充するか、出来れば盾に出来そうな参加者を見付けて、同行するかしないと、最低限の命の保証はないだろう。 「まあ、でも……パラサイドも実体化したし、リーゼロッテみたいなのが居るんだ。この殺し合いがオカルト絡みなら、優勝すればどんな願いも叶うって話も眉唾じゃなくなってきたねぇ……。 ヒョーヒョヒョヒョヒョヒョヒョヒョ!!!」 「なるほど……この不死身の体でどうやって殺し合わせるのかと思ったけれど、まさか不死性を制限されているとはね」 体の内部を蠢く、パラサイドを自らの手を体内に挿入し引き摺りだし握りつぶす。そんな作業を数回行い、ようやく体内から寄生虫を除去しリーゼロッテは不敵に笑った。 全身にパラサイドに貫通された赤黒い穴から、血を滴り流し、両目は潰れ、片腕は引き千切れる寸前のボロ雑巾のように、文字通り皮一枚で繋がっている。 だが、それらの痛ましい凄惨な傷口が、徐々に塞がりだす。 潰れた眼は時間を巻き戻すかのように、潰れた前の奇麗な状態へと修復されていく。重力に従い、皮一枚でぶら下がった腕は上向きに引っ張られるように、引き寄せられ傷口にふれたまま肉と皮膚が結合する。 虚無の魔石を、その身に埋め込まれたリーゼロッテは死ぬこともなければ、老いる事もない。本来であれば、殺し合いなど成立しない。 「不死の異能者も殺す首輪か、それにハンデも与えると言っていたわね。……今迄みたいに遊んでいると、死んでしまうということね」 数百年の悠久の時を生きてきた。今更、命は惜しくない。 むしろ終わらせてくれるのなら、リーゼロッテから歓迎したいところだが、人類鏖殺、世界を滅ぼすその時を目前に控えたこのタイミングでは、まだ死ぬには早い。 あの乃亜という少年が、どんな願いも叶えると言うのなら、些か手段は変わるが優勝し、世界の滅亡を願っても良いだろう。 「海馬乃亜と言ったわね。良いわ、予定が狂ったけれど貴方の望み通りにダンスを踊ってあげる」 世界を呪い、終焉を望む災厄の魔女は、迷うことなくこの場に呼ばれた幼い命をすべからず、滅ぼし去る事を決断した。 【インセクター羽蛾@遊戯王デュエルモンスターズ】 [状態]:右腕に切り傷(小) [装備]:なし [道具]:タブレット@コンペLSロワ [思考・状況]基本方針:生き残る。もし優勝したら、願いも叶えたいぜ。 1:武器も欲しいし、利用できる参加者も見付けたいピョ。 [備考] 参戦時期はKCグランプリ終了以降です 【リーゼロッテ・ヴェルクマイスター@11eyes -罪と罰と贖いの少女-】 [状態]:ダメージ(大、再生中) [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3、羽蛾のランドセルと基本支給品、寄生虫パラサイド@遊戯王デュエルモンスターズ(使用不可) [思考・状況]基本方針:優勝する。 1:羽蛾は見つけ次第殺す。 [備考] 参戦時期は皐月駆との交戦直前です。 不死性及び、能力に制限が掛かっています。 【寄生虫パラサイド@遊戯王デュエルモンスターズ】 OCGのボロクソな性能については割愛。 出展元において、インセクター羽蛾が城之内のデッキに仕込み、城之内のカードを昆虫族に変える事で、自らのコンボに繋げたキーカード。 今ロワ内では、出展元再現としてパラサイドの所有者が変更された時、ランドセルから取り出されていた場合強制召喚され、その所有者に寄生する効果となっている。 一度実体化すると、二度と実体化できない。 106 その魔法、純白トロイメライ 投下順に読む 109 ドラコ・マルフォイと紅い狂犬 時系列順に読む START インセクター羽蛾 007 表裏一体 START リーゼロッテ・ヴェルクマイスター 018 思い描くは、ひとつの未来
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前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/こいぬのおくりもの エピローグ 帰る道すがら、上条は美琴に右手を差し出した。 「なあ、一応聞くけど返してくれるのか?」 「何を?」 「合い鍵。必要はなくなったはずだけど」 美琴はいたずらっぽく上条を見た。 「当麻はどうしてほしいの?」 上条はつまらなさそうにそっぽを向いた。 「……好きにすればいい」 「…………」 上条の態度を見て口を尖らせた美琴は、黙ってすっと上条の部屋の合い鍵を出した。 それを見た上条も黙ってその鍵を受け取ろうとした。 しかし、その鍵が上条の手に渡る寸前、美琴はそれを取り上げた。 「やっぱりやーめた」 「おい、そりゃどういう意味だよ」 「だって」 美琴は無表情に上条を見上げた。 「そんなに残念そうで泣きそうな顔してたんじゃ、鍵を返すわけにいかないじゃない。優しい美琴姫としては」 「え」 慌てて上条は顔中をぺたぺたと触ってみる。そしてそこまでしたところで、美琴がニヤニヤといやらしい笑みを浮かべていることに気づいた。 「み、美琴。お前騙したな!」 「へへーんだ! 実際残念がったのは事実でしょ! 心配しなくったって、当麻の部屋の合い鍵は持っててあげるわよ! どう、嬉しいでしょ!」 「う、ううう嬉しくなんかねえや!」 「はいはい、嘘をつくならもっと上手につきましょうね、当麻。嬉しいって顔に書いてあるわよ」 「だあ――! なんかすっげえ腹立つぞ!」 結局上条の部屋の合い鍵は、上条が高校を卒業し寮の部屋を出るまで、美琴が手放すことは決してなかった。 美琴はかつて言った。マロンがいるからこそ今の自分達の関係があると。今の自分達の関係をくれたのはマロンだと。だからいつか自分達の関係は元のケンカ相手に戻るのだと。 本当にそうだろうか? いや、そんなことは決してない。 偶然美琴に命を助けられた子犬、マロン。 そんなマロンの存在がきっかけとなって始まった今の美琴と上条の関係。 一ヶ月前とは確実に変わった二人の関係。 始まりは確かに偶然が重なったものだったが、そこから関係を深め、二人の刻を重ねていったのはあくまで美琴自身であり上条自身なのだ。 だから大丈夫。 きっかけであり始まりでもあるマロンが二人の側を離れても、二人の関係が元に戻ることはない。 そう。美琴に命を救われた子犬がくれた贈り物は、決して美琴を哀しませたりするものではないのだ。 なぜなら、贈り物は、相手を喜ばせるためにあるのだから。 ただし、 「残念がってなんかいねえよ! いいから返せ!」 「私のお金で作ったのよ! 所有権は私にあるに決まってるでしょ!」 「ちょっと待て、元々俺の部屋の鍵だろう! だったら所有権は俺にあるはずだ!」 「やだ! なんて言われようと絶対に渡さないからね! この鍵は私の物よ!」 「お前がそれ持ってて何になるってんだ!」 「一年三百六十五日、二十四時間、いつでも当麻に勝負挑むために決まってるじゃない!」 二人が素直になり今以上の関係になるは、もう少し時間がかかりそうではある。 おまけその1 マロンが学園都市を離れていくらかの歳月が流れた。時は八月、まさしく夏真っ盛りといった感じである。 そんな中、ようやくの外出許可を得て実家に帰省している学生が二人。 「ねえ当麻。マロン、私のことちゃんと覚えててくれてるかな?」 「信じようぜ、なにしろマロンは電磁波我慢してまでお前の所に来てくれたんだぞ。な?」 御坂美琴と上条当麻である。 実家への道すがら心配そうな表情を続ける美琴に、上条は努めて明るく振る舞っていた。 「でも、だから心配なのよ。もしかしたらマロン、私達のこと恨んでるんじゃないかなって」 「俺達はあのとき、一番正しいことをやったんだ。マロンもわかってくれてるって。大丈夫だって」 「でも……」 「恨まれてたら恨まれてたで、じゃあどうするんだ? もしそうだったらそれこそきちんと謝って仲直りするしかない。せっかく夏休み使ってこっちに来たんだ、ちゃんと会おうぜ、な」 「……うん」 そうするうちに、二人は上条の実家へと到着した。詩菜からの連絡によると、今の時間は上条家には詩菜と美鈴、そしてマロンがいるはずだった。 美琴は緊張しながら玄関のドアを開けた。 「お、おじゃましまーす。ま、マロンいます……か……?」 玄関から首を突っ込んできょろきょろと家の中を見回す美琴の目に、栗色の大きな固まりが映った。 「あれは、マロン……!」 間違いない。成長してかなり大きくはなっているが、確かにマロンであった。 「ワン!」 マロンの大きな鳴き声に美琴はびくっと体を硬くした。 自分を警戒している、子犬の頃は吠えることさえ知らなかったのに、そう思った美琴の瞳から涙がこぼれそうになった。 「ワンワン!」 美琴が落ち込んでいると、なんとマロンは家の奥から玄関に向かって走ってきたのだ。 「え!? ど、どうしよう!?」 焦る美琴の気持ちなど関係ないと言わんばかりにマロンはどんどん美琴に迫る。 「いや……!」 思わず美琴が目を閉じた時、ドンとマロンの巨体が美琴に体当たりした。 「い……い……いや、くすぐったいよ、マロン!」 美琴に飛びかかったマロンはそのまま美琴の顔をペロペロと舐め始めた。ブンブンと大きく揺れるしっぽ。 マロンは美琴のことを覚えていてくれたのだ。 「マロン、会いたかったよ、会いたかったよ……」 涙を流しながらぎゅっとマロンを抱きしめる美琴。 そんな美琴の顔を舐め続けるマロン。 「あー、完全無視。相変わらず俺の立場って低いな。なあマロン、お前、俺のことは覚えてくれてるか……?」 苦笑いを浮かべながら、しかし優しい目で美琴とマロンを見つめている上条。 こうして美琴と上条は大切な「家族」に再会したのだった。 おまけその2 日曜日の昼下がり。 とある家族がリビングに集まって、母親の昔話に聞き入っている。 「とまあ、こんなところかしら、私達の距離が縮まったきっかけは」 「じゃあマロンがキューピッドだったっていうのは本当なんだ」 「そうよ、前からそう言ってたじゃない。マロンがお父さんとお母さんのキューピッドになってくれたんだって」 「へー、偉いんだマロン。今じゃ食べることに命懸けてるみたいな、ただのボケ老犬なのに」 母親の話に耳を傾けていた男の子は、自分の側で寝ている雑種犬の頭をそっと撫でた。 「コラ、ボケ言わない! マロンだって好きで年取ったわけじゃないのよ」 「はーい」 母親に叱られた男の子はばつが悪そうに頭をかいた。 そんな男の子を見ながら、彼と一緒に母親の話を聞いていた女の子はけたけたと笑っている。 「やーい、叱られてやんの。だからいつも言ってるじゃない、アンタは口と頭と性格が悪いから直しなさいって」 「姉ちゃんうるせえよ! なんだよ、自分ばっかり良い子ぶっちゃって」 「だって私、良い子だもん! 勉強だって運動だってなんだって一番だし! 性格だって、えっと、『しんそーのごれーじょーみたい』って言われてるのよ。それに私はアンタと違ってマロンをボケ老犬なんて酷いこと言わないし。どんなに年を取っても食べることにばっかり一生懸命でも、マロンは私達の大切な家族なんだから。ね、マロン」 女の子はしなを作ってぱちりとウインクをした。 男の子はそんな女の子を見ながらつまらなさそうに口を尖らせる。 「……猫かぶり、外面美人、内面般若……いて!」 「あらー、誰かしらー、妙なこと言ってるのわ? それ以上言ったらグーでマジ殴りするわよ」 「ごめんなさい、この馬鹿で口が悪い弟が全面的に悪いんです、許して下さいお姉様」 「謝るくらいなら最初から言うな!」 「……相変わらずアンタ達のケンカっておきまりのパターンね。双子っていっても二卵性だとこうも違うのかしら」 土下座をする弟の頭を容赦なく踏みつける姉を見ながら母親は深く深くため息をついた。 「私達のケンカでは、さすがに踏みつけるまではしてないわよ……アイツの土下座まではしょっちゅうだったけど。ほらマロン起きて、アンタの出番よ」 母親に体を揺すられた雑種犬は大きく伸びをしながら起きると、姉の方へとゆっくりと近づいていく。そのままドンと姉の体にのしかかるとペロペロと彼女の顔を舐め始めた。 「ち、ちょっと止めてよ。またなのマロン! くすぐったいってば! どうしてアンタはそう女の子の顔を舐めるのが好きなのよ!」 「姉ちゃん聞いてなかったのか? お母さんが泣いてる時にその顔を舐めるのはマロンの役目だったって言ってたじゃないか。人の話はちゃんと聞かなきゃ。……それにしても助かったよマロン」 姉の足がどかされたことによってようやく自由の身になった弟は、首をグルグルと回して雑種犬に感謝した。 どうやらこの家で姉弟ゲンカの仲裁は雑種犬の役目ということになっているらしい。 「まあ、こういうのも仲が良い証拠なのかしらね」 母親は自分の子供達と愛犬のじゃれ合いを目を細めて見つめている。 「ね、あなた」 そして目を閉じ、今この場にいない夫の姿に思いを馳せた。 彼は現在アフリカ大陸で彼の義父の仕事を手伝っている。義父曰く、不幸ということを除けば根性と胆力の固まりである彼女の夫は仕事上のベストパートナーらしい。 「あー、お母さん! またお父さんのこと考えてニヤニヤしてる!」 その時、子供達が母親の様子に気づいてはやし立て始めた。 結婚してもうかなり経つのにこういうことに対する免疫が少ない母親は、慌てて両手をわたわたと振る。 「な、なな何言ってんのよ! そん、なこと、してるわけないじゃない!」 「だって美鈴さんが言ってたもん。『美琴ちゃんはいつまで経っても当麻くんにメロメロなのよ。目を閉じて物思いにふけってたらまず間違いなく当麻くんのこと考えてるわね』って」 「あ、あんの馬鹿母親! 小学生の孫になんてこと教えてんのよ!」 「美鈴さんって、お母さんやお父さんのこと、たくさん教えてくれるんだよ。すっごく面白いんだ!」 「面白くないわよ!」 「詩菜さんも色々教えてくれるのよ。この間教えてもらったのはね、お母さんが私達の見てないところでお父さんにどんな風に甘えて――」 「お義母さんまで!? ていうか何考えてんのよ、あの母親達は――!!」 とうとう母親は大声で叫びだした。せっかくの美人が台無しである。 上条美琴、二十代後半。 今年七歳になる二卵性双生児の姉弟と、大型犬としてはかなりの高齢になるがまだまだ元気な愛犬マロン。そして中学生の時からの想いを叶え結ばれた夫、当麻。 愛する家族に囲まれた彼女の人生はこれからも続いていく。 前ページ上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/こいぬのおくりもの
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それは蒼から始まった物語(3):シスターズ まず毒牙にかかったのはすぐに手が届く位置に居たイザベラである。 スルリと尻の下から抜け出されると、次の瞬間には後ろからサイトに抱きしめられていた。 明らかに同年代よりも成長したロケット型のおっぱい、その先端に手が伸びて。 きゅっ、と力を込めて、突起を摘んだ。 「ひんっ!」 「知ってるかー、シャルロット?イザベラってな、こんな風に先っぽとか強く弄ってやるとな・・・」 強く摘んだまま引っ張る。それだけでビクッ!とイザベラは仰け反って嬌声を上げた。 1週間毎夜毎夜ヤリまくっていたのは伊達じゃない。あれこれ愛撫を行っていた時、ふとサイトは気付いたのである。 でもまさか、いつも強気でSっぽいイザベラが、実はMだったなんてなー。 右手でグリグリ胸の突起を引っ張りつつ、左手を内股気味になっているイザベラの股座に突っ込む。 やっぱりというべきかそこは濡れて、スルリと簡単に左手が股の間に押し入った。 気付かなかったが、もしかするとサイトを舐めている間もそれだけで既に濡れてたのかもしれない。 秘裂を探り当てると、荒っぽく指を膣内に突き入れた。 ちゅぷぷぷぷっ、と呆気なく根元まで差し込まれる。 「はひいっ、や、いきな、りっ!」 「こーいう方がイザベラは好きなんだろ?ホレホレ、シャルロットも見てみろよ。ココをこう苛めてやるだけでどんどん溢れてくっから」 「ひっ!み、見てんじゃないよ、シャルロット!」 イザベラが身を捩る。しかしその動きにサイトの指がすっぽり収まった中も一緒に動き、更に刺激が走るだけである。 親指が秘裂の上の小豆に似た突起を押しつぶす。10万ボルトの電撃が背筋を駆け上ってイザベラは仰け反った。 それだけでクッタリとなったイザベラはもうサイトにされるがままだ。形のいい唇はだらしなく半開きになって涎を垂らす。 小さな従妹はそんな姉の痴態を目前で見せつけられて・・・キュンッ、と下腹部に新たな熱が生じたのが、分かった。 「らめぇ・・・シャルロット、見ないれぇ・・・」 お姉ちゃん・・・可愛い・・・ もっと・・・こんなお姉ちゃんの声、聞いてみたい。 そんなどす黒さの混じった欲情に駆られ、冷たさを装った瞳に紛れも無い炎を浮かべながら。 シャルロットは、握られていない方のイザベラの胸の先を口に含んだ。 微かに絶望したような、甘い悲鳴が上がる。 「ひんっ、シャルロット、何で、何でぇ!」 「お姉ちゃんのいやらしい声・・・もっと聞いてみたい」 そう半ばボンヤリと呟き、突起を軽く噛んだ。一際上がる嬌声。 ドロドロと溶岩に呑まれた鋼鉄のように溶けていく、シャルロットの理性。 「イザベラもシャルロットも仲良しで俺も嬉しいぞ・・・っと」 妹分の2人の百合でも見えてきそうな行為に、サイトのボルテージも温度計の紅いアレが噴出しそうな勢いで急上昇。 でも絵的には攻めと受け逆っぽい方が人気ありそうだけど、コレもまた善し!! イザベラの中に入れていた指を引き抜くと、サイトは親指で豆をグリグリしたままいきなり自身を突き入れた。 彼女の奥底へと伝わる衝撃。 乱暴に突き込まれた痛みも妹分に噛まれたままその勢いで引っ張られた乳首の痛みも―――今やスイッチの入ったイザベラにとってはまた、快感でしかない。 「あひんっ!あっ、あんっ、あんっ、サイト、もっと、強いのぉ!」 「そらっ、そらっ、コレでどうだ!」 「もっ、奥、ゴツゴツって、サイトのれ、苛めれぇ!」 サイトの腰がビートを激しく刻む。イザベラの奥底へ響き、その火はシャルロットへ燃え移って一際大きな炎と化し。 「綺麗・・・お姉ちゃん・・・」 「ん・・・ふむぅ、んんんっ」 シャルロットの唇が喘ぎ声を漏らすイザベラの口を塞ぐ。 被虐に燃えるイザベラも今はただそれを受け入れて、自分の口の中を蹂躙する妹みたいな少女の舌を味わった。 それに釣られて、下の締め付けも一段とキツくなって。 「出すぞ、イザベラ!」 「ひっ・・・んんんん〜〜〜〜〜〜っ!!!」 舌を絡めあったまま、奥深くに流れ込んでくる熱い欲望によって達したイザベラは、サイトの腕に抱かれたままへたりこんだ。 チュポン、と音を立てて引き抜かれた、イザベラとサイトの混合液がこびりついた杭が姿を現す。 サイトの腕から開放されたイザベラはそのままベッドに倒れこんだ。目は虚ろで涎は垂れ流し、元に戻るまでしばらくかかりそうである。 さて、ならば次に野獣、いやいや性欲魔人と化したサイトの獲物はお分かりだろう。 「ひゃっ!?」 「シャールロット?さっきはよくもシテくれたな〜?」 ギラリ、と怪しげに光るまなざしに思わずたじろごうとしたシャルロットの足を掴んでぐっふっふっふっふ、と笑うサイトの顔はいやらしげに歪んでいる。 笑い方といい、どこの悪役だどこの。 「うりゃっ」 軽い掛け声と共にサイトは掴んだシャルロットの足を持ち上げてシャルロットをベッドの上でひっくり返す。 足が上、頭が下、いわゆるでんぐり返しの体勢である。 ・・・そのシャルロットの毛の生えていない割れ目付近は、とっくに分泌液でてらてらと濡れ光っていた。 頭の位置の問題で上しか見えないシャルロットの視界のど真ん中にその様子がハッキリと見えて。 「―――!!お兄ちゃん、恥ずかしいこの格好・・・」 「んー?恥ずかしくなきゃお仕置きにならないだろー?どうだ、シャルロットってば俺のを舐めたり俺がイザベラとしてるのを見てたりキスしただけでグチョグチョになってるんだぞ」 「言わないで、見せないでぇ!」 パタパタと手で隠そうとしたり身をよじってみても、逆さにされて大股開きの体勢では十分に動けず、それにサイトの腕力に勝てる訳も無く。 逆にシャルロットの割れ目からは、サイトにそう言われ始めてから透明な分泌液の量が増え始めている。 「おや〜?シャルロットは恥ずかしいと尚更濡れちゃうのかな?」 「〜〜〜〜〜〜〜っ!!!///お願いだから言わないでっ!」 懇願するシャルロット。けれどもその声に多分に混じる甘いものは誤魔化し様が無く。 「イ・ヤ・だ」 サイトは割れ目へと吸い付いた―――前ではなく後ろ。お尻の割れ目に。 排泄にしか使われない筈のソコを、舌の先でチロチロと穿るように舐める。 くすぐったい様で微かに痺れるようなその感触。前に舌を差し込まれるとは違うその感覚・・・快感にシャルロットは。 「!!ダメ、お兄ちゃん!そこ、汚いから・・・!!」 「んー、別に汚くなんて無いぞ?ここもちょっと薄めに綺麗なピンク色してるし」 「それ、でも、ダメッ・・・んあっ!」 「それにさ、シャルロットだって俺の舐めただろ?だからそのお返し」 もっとも理由はもっとシャルロットを恥ずがしがらせてやるぜ!なんてとっても邪まだったり。 しわの一筋一筋を味わうように舐めながら、穴の周りを揉みほぐす。 「んんっ、こっちも前と同じ風にほぐれるもんなんだな」 「らめ、そこっ・・・いじっちゃ、らめなのぉっ」 懇願する。しかしサイトは止まらない止められない。 もはや今のサイトにとっては、シャルロットも嫌よ嫌よも好きのうちにしか聞こえないのである。 実際口ではああ言ってても前の方の濡れ具合は半端ではない。滴った分が彼女の顔にポタポタかかっているほどだ。 舌を差し込んでほじくりながら、親指で伸ばしてほぐして少しずつ拡張し。 そして。舌を離すと、人差し指をお尻の穴へ差し込んだ。 ずにゅにゅにゅっ! すると、 「ひっ・・・く〜〜〜〜〜〜〜んっ!!」 ぴちゃっ―――しゃ〜〜〜〜〜〜っ・・・ 瞬間、琥珀色の液体が1つの筋を描いて、シャルロットから流れ出した。 体勢の問題と地球と大差なくハルケギニアでも当たり前の存在な重力に引かれて流れた先は。 ちゃぱぱぱぱっ 「・・・・・・あー・・・・・」 「・・・っ・・・・・・」 出した本人の顔に全部降り注いだのであった。 微かな刺激臭が立ち込めたが、シャルロットは暖かい液体にまみれたメガネを拭う事も、髪の毛から滴る自分の尿を気にする事も無く。 ピクピクと小さく痙攣しながら、さっきのイザベラと似たような感じで涎を小さく開けたままの口の端から零していた。 ここまでなると、流石に少しは性欲の権化のこの男も少しは頭が冷えたようである。 「悪い、やりすぎた」 「・・・・・・・・」 返事は、返ってこない。 どーしようかなー。タオル取りに行こうにもシャルロットとイザベラこのままにしとく訳にもいかねーし。 つーか俺下何も穿いて無いじゃん。誰かに見つかったらどうすんだ! ちょっと悩んで、サイトが選んだ手段は。 「くすぐったいだろうけど、我慢してくれよ?」 ぺろり、と。 サイトはシャルロットの顔を舐め始めた。シャルロットの後ろの秘所を少し乱暴に穿る様にしたのとは逆に、親猫が子猫の毛づくろいをしてやるような優しさで。 そのまま満遍なく、頬から額から鼻から口から顎から首筋から耳の裏側から、正面からは見えない所までペロペロペロペロ。 その内、生暖かい感触にお空の向こうから帰ってきたシャルロットだが、そのくすぐったさに目を細める。 恥ずかしいかっこさせたり恥ずかしい事言ってくるお兄ちゃんだけど・・・ でも、やっぱり優しくて―――好き。 「・・・おしっこって、やっぱりしょっぱいんだな」 「言わないで・・///」 ハッキリ言われるのはやっぱり恥ずかしかった。シャルロットの頬が羞恥で染まる。 しかし少なからず理性が戻った事で、下腹部でさっきよりも増大した熱を、改めて自覚した。 どうすればこの昂ぶりは収まるのか――――決まってる。 だから後ろを向くと、シャルロットはお尻を自分から割り開いた犬みたいな体勢を取った。 「お尻の奥、ムズムズして痒いから・・・」 だから、お兄ちゃんのでムズムズを治して欲しいの。 ぷっちーん 切れました。髪の毛1本分ぐらいの細さぐらいには補修されてたサイトの理性の糸がもっぺん切れました。 「シャルロットぉ!」 「ん〜〜〜〜っ!」 充分ほぐされた菊門は、白濁液まみれでヌルヌルしたままのサイトを予想以上に容易く、根元まで飲み込んだ。 熱い。サイトへと伝わるシャルロットの腸内も、シャルロットに伝わる奥深くまで貫かれたサイトのそれも、どちらも熱い。 先端から根元まで、サイトをすっぽりと包み込んだ中は前とは違う感じでキュウキュウと締め付ける。 シャルロットの方も根元まで突き込まれた時は痛みを感じたし、数度往復される間も熱と痛みが入り混じって背筋を駆け上ったが、すぐにそれは薄れていく。 「あ゛、あ゛あ゛っ、あ゛ん゛っ、あ゛っ、あっ、あっ――――!」 引き抜かれる時の排便に似たあの奇妙な快感と、突き込まれる時の奥底へと響く刺激がシャルロットの理性を塗りつぶす。 「お兄ちゃ、ダメ、おかしくなる、私、おかしくなっちゃう!」 「構わないさ、おかしくなっちゃえよ!」 「ひんっ、出る、まひゃ、出ちゃう、お兄ちゃんっ!」 「〜〜〜〜〜〜〜〜っあ!!!」 どくっ どくどくどくっ!! 腸内で駆け巡る奔流に、シャルロットもまた意識を手放すのだった。 「シャルロット?・・・気絶しちゃったのか」 ズポン、と音を立てて引き抜くと一瞬小さな身体が大きく震えたが、多分反射的なものだろう。 普通よりも結構太目の剛直に貫かれてたお陰で緩んだ菊門からは、白濁液が大量に溢れ出てきている。 と、後始末をどうしようかと考え出したその時。 「ん?」 「・・・・・・」 目を覚ましたイザベラが、サイトを見つめていた。 ・・・明らかに、未だ獣欲に染まった目で。 「・・・ズルイ。シャルロットだけお尻なんて」 そういって横向きにベッドに横たわり。 「サイトぉ・・・私のお尻も、サイトで苛めてぇ・・・」 答え?決まってるだろう。 「アイアイマーム!」 ・・・以降、片方が気絶するたび目を覚ましたもう片方とヤリまくるのが、しばらくの間続いたのだった。
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ふわりと香るエリザリオ。 本来ならば『愛らしい』と評されるだろう顔立ちは、瞳の冷たさとあいまって鋭利な刃物の美しさを思わせる。 趣味の良い調度品が朝の光に影を落とす。一幅の絵のように美しい廊下に、けれど目もくれない様子でその女性は歩いていた。 乱れ無く整えられ、肩に流されているのは印象的な赤い髪だった。 地球軍総司令官アスラン=ザラの妻にして、『治安警察省の魔女』の異名をとるメイリン=ザラ・・・・身を包む制服からカツカツと音をたてる足元まで、全てが彼女の鎧だった。 赤い制服を着た姉のもとから去り、更にその死に関わってから、もう五年が経っていた。 その間メイリンは、なにものにも揺るがずただ前だけを見、敵対するものを踏みつけにしてきた。姉との思い出も友と過ごした日々も、いつしか奥底に封印してしまった・・・今はただ、ラクス様の為に正義を行わなければならないのだと。 それが。 先だってのテロ事件とその後の騒動、それらに関与したとされる人物の名前が、全てを揺り起こした。 シン=アスカ。 かつて『裏切り者の』メイリンとアスランを、追いかけ、落とした人間。 そしてアカデミー、ミネルバと、苦楽を共にした仲間であり・・・姉を殺してしまった自分達を、責めたてるだろうひと。 心の奥底、恐怖に身を縮める少女を、五年のうちに培われた鎧で覆い固める。 (・・・・・・ラクス様の、為に) 心はもう、揺るぎはしなかった。 玄関ホールには先客がいた。 夫のアスラ=ザラがちょうど帰宅したところだったのだ。 メイリンは表情を変えることなく、吹き抜けの階段を降りていく。 「・・ただいま」 彼女に振りかえり、アスランが優しい声音でそう言った。 優しいその響きがこんなにも空虚に聞こえるようになったのはいつのことだったか、もうメイリンは思い出そうとすらしなかった。 「おかえりなさい、アスラン」 冷たくはない、けれど表情の無い声で応える。ミネルバ時代の愛嬌に溢れる彼女を知る者なら、誰もが驚いただろう・・・・それを日常的に聞いている、アスラン以外は。 アスランは少し寂しげな、傷ついたような表情を浮かべる。 メイリンはそれに気付いたが、心には何も響かなかった。 「出かけるのか?」 「はい」 いつもこれで終わりになる筈の会話が、この日はもう少しだけ続いた。 さっさと玄関口へ向かったメイリンがすれ違いざまに、アスランが呟くように言ったからだった。 「・・・・・・シンが・・・・・・・・・・・・」 メイリンは足を止めた。 だが振りかえりたくなどなかった。 振りかえり、あの時自分達がやったことは本当に正しかったのかなどと思い悩む夫の肩を抱き、私達は正しかったのだと言って俯いた顔をあげさせる?そんなのは真っ平だった。 だから振り向かず、極力抑えた声で、メイリンは一言ただ『はい』と答えた。 はい、知ってます。 はい、わかってます。 シンが来るということも。 あなたが何を考えているかも。 裏切りという罪を共有する、一番近くて遠い場所にいる夫に。メイリンは背を向けたまま迎えの車に乗り込んだ。 そして部下からの報告に目を通しつつ、矢継ぎ早に質問をしては情報を確認していく。 「ライヒ長官から、連絡が入っております」 「繋いで」 光に包まれたオーブの地に、今日も魔女が降り立った。 <以下おまけ、アニメとしてのシナリオバージョン> 清潔で豪奢な廊下を、かっちりとした制服を着たフルメイクのメイリン・ザラが歩いてくる。 メイリンとライヒの音声のみ回想でかぶせる 『シン・アスカ・・・君にとっては懐かしい名前ということか?』 『・・はい』 『先日の件についてだが・・・』 ハイヒールの足音が近づくのと入れ替えに、フェードアウトしていく音声。 全身から、一度顔(半分)のアップをいれて場面切り替え。 帰宅したばかりのアスランがいる玄関ホールへ、階段を降りてくるメイリン。 アスラン振り返る。 アスラン「ただいま」 メイリン(ミネルバ時代からすると冷たい声で)「おかえりなさい、アスラン」 メイリン、階段を降りきる。 アスラン「出かけるのか?」 メイリン「はい」 きちんと目を合わせようともせず、素通りするように出て行こうとするメイリン。 やや視線をそらし気味のアスラン、俯きながら アスラン(弱々しい、苦渋に満ちたような声で)「・・・・・・シンが・・・・・・・・・・・・」 メイリン、肩をゆらし立ち止まる。振り向かないままの背中。1~2拍置いて メイリン(低めの抑えた声で拒絶オーラいっぱいに)「はい」 ぎくりと顔をあげたアスラン、手を伸ばそうとして引っ込める仕草。 アスラン「っ・・・・」 メイリン、アスランに背を向けたまま車に乗り込む。車の窓越しの、無表情の美しい横顔。 部下(秘書?)からレジスタンス関連の報告を受け、それと同じ位の音量で 部下「ライヒ長官から、連絡が入っております」 メイリン「繋いで」 それにかぶせてメイリンモノローグ 『シン・・・・・・・・・・』 レジのほうへでもバトンタッチでシーン終了。